このページでは、未回収債権が発生する主な原因と未回収債権の回収方法、未回収債権の発生を抑えるための対策について解説しています。
最も考えられるのが、債務者や債権者が何らかの理由でミスをしている可能性です。債務者が支払い期限を忘れている、払ったと思い込んでいた、請求書を紛失してしまい支払いがあることに気づいていない、などです。
債権者のミスによっても未回収債権は起こります。債権者が請求書を送付したつもりで失念しているケースが主な原因です。
このようなミスが原因で起こった未回収債権は、支払いの意思がある債務者であれば、穏便に連絡を取ることで支払いが行われ解決します。
すでに物品やサービスは納品されているにも関わらず、未回収債権が発生することがあります。このケースでは、納品物に問題があったり請求額が異なっていたりして、債務者がクレームを入れることからはじまります。
債務者からのクレームが発生したら、納品物や請求内容に相違がないかを見直しましょう。その後、債務者と支払いについて話し合い、納得してもらう必要があります。
債務者に支払い意思はあるものの、資金繰りに問題があり支払えない場合があります。この場合、資金難解消の目途があれば、分割払いや期限の繰り延べなど返済計画を立て直すことによって何とか支払わせることができます。しかし、破産寸前まで問題が大きくなっている場合、債権の回収は極めて困難です。最悪の場合、破産による債権回収不能に陥る可能性もあるでしょう。
ミスやクレーム、資金難など上記に挙げた問題がないにもかかわらず支払われない場合、そもそも債務者に支払いの意思がない可能性もあり得ます。
悪質な事案では計画倒産や踏み倒しを図るケースもあり、債権を回収するまでに時間を要します。債務者に支払う意思が見られないと判断したら、弁護士に依頼して、民事訴訟などで解決を図らなくてはなりません。
取引先の経営状態が良くないと、当然、未回収リスクは高くなります。支払い期日の先延ばしや分割払いへの変更など、条件の変更を申し出てくる場合には注意が必要です。会計事務の影響による変更の可能性もゼロではありませんが、複数回にわたって変更の申し出があった際には不渡りのリスクが高いと考えておきましょう。
取引先社員の離職が目立つ、取引先銀行の変更など、取引先のこれまでにない動向にも注意してください。業績不振によって経営状態が悪化している可能性もあります。
万が一未回収債権が発生したら、以下の方法で対処して解決に努めます。ただし、債権には時効があります。
権利を行使できると知ったときから5年間という時効が定められており、時効が成立すると支払いを要求することができません。時効を成立させないためにも、未回収債権が発生したらはやめに動き始めることが大切です。
まず、債権者に直接連絡して支払いを催促し、債権を回収できるように努めます。債権者と直接連絡を取ると、支払いが遅れている事情を確認できますし、支払いの意思について確認することもできます。また、すでに支払いは済んだが、行き違いで反映されていなかっただけだった、といったことも判ります。
直接連絡をしても支払われない、支払期限を延長したのに期限までに支払われないなど、債権を回収するのが困難だと感じたら、内容証明郵便で請求書を送付します。
内容証明郵便は相手に郵便を送付した日付を証明できるため、その日付が記録として残ります。法的効力はありませんが、裁判にまで発展した際に証拠になるなどのメリットがあります。
内容証明郵便で支払いの催促をしたにもかかわらず回収が進まない場合、法的手続きに進む必要があります。法的手続きには民事調停、支払督促、少額訴訟、民事訴訟、強制執行があり、債権額や回収段階によって異なります。
未回収債権が発生すると、回収までに手間も時間もかかります。未回収債権の発生を少しでも抑えるには、債権者側によるミスを防ぐことも大切です。
請求漏れによる未払いを防ぐために、請求管理を見直しましょう。請求書の発行や送付、入金、支払遅延時の対応など一連の請求業務を債権者側でしっかりと管理しておけば、ミスを防げます。
資金繰り管理のために作成する資金繰り表を未回収債権に役立てることもできます。資金繰り表があると、事業資金のうち未回収の債権が何件あるか、いくらあるか、事業を運営するのに影響がいつ出るのかなどを具体的に把握しやすくなります。
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