こちらでは、振込手数料を処理するときに役立つ知識を紹介しています。経費計上の際のポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
弁済の費用について特に意思表示がされていない限り、債務者側が負担するものとして生じる料金のことを、振込手数料といいます。つまり、振込手数料は、原則的には、代金を振り込む側が負担するものであるということになります。
実際、請求書に、振込手数料が購入者の負担となる旨がかかれているのを見かけることがあります。これは、どちらの負担になるかについて明示して、受領者側が負担を感じることのないようにするための配慮なのです。
会計処理において、振込手数料の勘定科目は「支払手数料」に該当します。振込手数料はそれほど大きな出費ではないため、雑費として扱うこともありますが、勘定科目として設定されているものについては、利用したほうが経費の内訳がわかりやすくなります。
ちなみに、支払手数料とは、取引を行ったりサービスを利用したりする際の手数料の支払いを処理するための、勘定科目のことです。付随的に発生する経費という位置づけになります。
支払手数料も消費税の課税対象となりますが、海外との取引で生じたものについては、非課税となります。
金融機関での振込手数料以外にも、支払手数料に該当する項目として、次のようなものが挙げられます。
上記の報酬や相談料に支払報酬の勘定科目を用いることは可能ですが、支払手数料としてまとめてしまってもOKです。ただ、手数料の内訳をできるかぎり正確に把握できるようにしたいのであれば、勘定科目を用いるのがおすすめです。
雑費とは、少額であり、かつ他の勘定科目に該当しない経費に使う勘定科目であるといえます。どちらかというとイレギュラーに発生するものであると認識されている費用です。
かといって、もちろん、イレギュラーにしか発生しない費用を全部雑費として扱うことはできないので、注意しましょう。特に、雑費が経営に一定以上の影響を及ぼすような金額である場合、雑費として計上するのは厳禁です。税務署に「会計処理が適正に行われていないのではないか」と疑われかねません。
振込手数料の仕訳には2種類あります。ひとつは、支払手数料として仕訳をする場合、そしてもうひとつが売上のマイナスとして仕訳をする場合です。後者の場合は、振込手数料を、販売した商品代金の値引き分として、売上の勘定科目に割り当てることになります。
また、前者は売上額を多く見せられますし、後者は、売上額を減らして節税につなげることができます。
振込手数料の勘定科目は「支払手数料」です。銀行振込で発生する手数料は、売掛金の入金時や買掛金の支払時など場面によって仕訳パターンが異なります。自社が負担するか先方が負担するかによっても処理方法が変わるため、代表的な3つのパターンを具体的な仕訳例で確認しましょう。
取引先から売掛金が入金される際、振込手数料が差し引かれて入金されるケースがあります。この場合、差し引かれた振込手数料分は「支払手数料」として費用計上します。
たとえば、売掛金100,000円に対して振込手数料550円が差し引かれた場合の仕訳は以下のとおりです。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 普通預金 | 99,450円 | 売掛金 | 100,000円 |
| 支払手数料 | 550円 |
取引先が振込手数料を負担する場合、売掛金は満額で入金されます。自社側で振込手数料の仕訳は必要ありません。
売掛金100,000円が満額入金された場合の仕訳は以下のとおりです。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 普通預金 | 100,000円 | 売掛金 | 100,000円 |
振込手数料の負担者は、契約や取引条件の取り決めによって異なります。取引開始時に負担者を明確にしておくとよいでしょう。
買掛金の支払時に自社が振込手数料を負担するケースです。民法第484条・第485条の「持参債務の原則」により、原則として支払側(買手)が振込手数料を負担します。
買掛金100,000円を支払い、振込手数料550円を自社が負担した場合の仕訳は以下になります。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 買掛金 | 100,000円 | 普通預金 | 100,550円 |
| 支払手数料 | 550円 |
参照元:e-Gov 法令検索|民法(https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089?occasion_date=20260401)
参照元:税理士法人 江崎総合会計|振込手数料の負担はどちらのもの?(https://www.tax-sos.co.jp/news_tax/1617.html)
販売と仕入れを両方行っている取引先の会計処理であれば、相殺が可能です。振込手数料の場合には買掛金勘定から振込手数料分を引いて入金します。このように振込手数料を相殺すれば、会計処理が簡略化するので、より効率的に処理業務を進めやすくなります。
自社製品の販売を販売代理店や委託業者、仲介人などに委託する場合、その報奨金は「販売手数料」となるため、支払手数料とは別に管理する必要があります。 一般管理費に分類される支払手数料には間接的な経費が含まれるのに対し、販売手数料は、販売に直結する経費です。そのため、「販売促進費」という科目で計上しなくてはならないのです。混同しないよう注意が必要です。
弁護士・税理士・司法書士などの専門家への報酬は源泉徴収の対象となります。そのため、支払い手数料ではなく、支払報酬という勘定科目で計上するのが一般的です。また、支払い報酬とよく似たものとして「支払顧問料」という勘定科目もあります。こちらは、専門家と顧問契約をしている場合に使うのが一般的です。
2023年10月に開始されたインボイス制度(適格請求書等保存方式)により、振込手数料の消費税処理にも新たな対応が求められるようになりました。仕入税額控除を受けるための要件をケース別に確認しておきましょう。
買い手が振込手数料を負担する場合、仕入税額控除を受けるには金融機関からの適格請求書(インボイス)が必要です。振込方法によって取り扱いが異なる点に注意が必要です。
ATMでの振込は、3万円未満であれば「自動サービス機による取引」に該当するため、適格請求書の保存は不要です。帳簿への記載のみで仕入税額控除を受けられます。一方、窓口やインターネットバンキングでの振込では、金融機関が発行する適格請求書の保存が求められます。
参照元:国税庁|(自動販売機及び自動サービス機の範囲)[※PDF](https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/qa/47.pdf)
売り手が振込手数料を負担し「売上値引」として処理する方法もあります。本来であれば適格返還請求書(返還インボイス)の交付が必要です。2023年度税制改正により、1万円未満の少額な値引きについては返還インボイスの交付義務が免除されました。
振込手数料は通常1万円未満のため、この特例の対象となります。経理処理の観点からは、売上値引として処理することで返還インボイスの発行が不要になり、事務負担の軽減につながります。
引用元:国税庁|少額な返還インボイスの交付義務免除の概要(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/kaisei/202304/03.htm)
一定規模以下の事業者には「少額特例」が設けられています。基準期間の課税売上高が1億円以下、または特定期間の課税売上高が5千万円以下の事業者が対象です。税込1万円未満の課税仕入れであれば、適格請求書の保存なしに帳簿の記載・保存のみで仕入税額控除を受けられます。振込手数料もこの特例の対象です。この制度は2029年9月30日までの時限措置である点にご注意ください。
引用元:国税庁|少額特例(一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置の概要)の概要(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/kaisei/202304/02.htm)
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