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【経理向け】入金管理の方法・ポイントについて

このページでは、入金管理業務をより効率的に行うために役立つ情報を紹介しています。業務内容やおさえておきたいポイント、そしてトラブル対処方法などもあわせて解説していますので、ぜひ参考にしてください。

目次

【基礎知識】入金管理とは

請求した金額に対し、取引先による入金が予定日までになされているかどうかを確認すること、そして請求金額と振り込まれた金額が合致しているかどうかを確認すること、さらに入金消込を行い、過不足がみられるときには取引先に必要な手段を講じること。この一連の業務を、入金管理といいます。

入金管理の業務フロー【5ステップで解説】

入金管理は個別作業の集合ではなく、「台帳作成→予定確認→照合→消込→督促」という一連の業務フローとして進めることで、月末に集中する作業のヌケ・モレを防げます。ここでは経理担当者が押さえるべき5つのステップを、実務に即して解説します。

STEP1|入金管理台帳を作成する

取引先ごとの入金予定と実績を一元管理するために、まずは「入金管理台帳」を整備します。台帳がないと、複数取引が並行するなかで請求漏れや消込漏れが発生しやすくなります。台帳に記載すべき主な項目は以下のとおりです。

  • 案件番号・案件名
  • 取引先企業名・担当者名・連絡先
  • 受注日・請求日・入金予定日
  • 受注額・請求額(受注額と異なる場合は分けて記載)
  • 実際の入金日・入金額
  • 備考(振込手数料の負担区分、分割入金の有無など)

受注額と請求額を分けて記載しておくと、値引きや追加請求が入った際にも整合を取りやすくなります。

STEP2|入金予定日・請求データを確認する

台帳をもとに、当月〜翌月に発生する入金予定を洗い出します。取引先によって支払サイト(翌月末払い、翌々月10日払いなど)が異なるため、支払サイト別にリストを並べ替えておくと、月末に集中する消込作業を分散させやすくなります。同時に、締日までに発行した請求書と台帳の請求額に相違がないかもチェックしておきましょう。

STEP3|入金データと請求データを照合する

銀行の入金データを取り込んだら、振込名義・振込日・振込額の3点で請求データと突合します。以下の観点は特に見落としやすいため注意が必要です。

  • 振込名義が屋号やグループ会社名になっていないか
  • 振込手数料が差し引かれていないか
  • 複数請求分をまとめて1回で振り込まれていないか

照合不一致が出た場合は、放置せずに当日中に原因を切り分け、必要に応じて取引先や営業担当に確認します。

STEP4|入金消込を行う(仕訳例つき)

照合が完了したら、帳簿上の売掛金を消し込みます。標準的な仕訳例は以下のとおりです。

【請求時(売上計上時)】

  • (借方)売掛金 100,000円 /(貸方)売上高 100,000円

【入金時(消込時)/振込手数料440円が差し引かれた場合】

  • (借方)普通預金 99,560円 /(貸方)売掛金 100,000円
  • (借方)支払手数料 440円 /

手数料負担の合意内容によって、支払手数料勘定ではなく売上値引で処理するケースもあります。自社の経理規程に沿って一貫した処理を徹底しましょう。

参照元:TOKIUM(トキウム)|売掛金の振込手数料の仕訳は?入金時の処理方法と注意点(https://www.keihi.com/column/5712/)

STEP5|未入金の確認・督促を行う

入金予定日を過ぎても入金が確認できない案件は、未入金一覧として抽出します。督促の前に必ずダブルチェックを行い、こちら側の入金確認漏れや請求書ミスがないかを確認しましょう。

入金済みの取引先に督促してしまうと信用低下につながるため、確認プロセスの徹底が重要です。

入金消込で「金額が合わない」主な原因と対処

月末に集中する入金消込作業で経理担当者を悩ませるのが「金額が合わない」問題です。原因の多くは以下4パターンに集約されます。パターン別の対処法を押さえておくことで、月末残業を大幅に減らせます。

振込手数料の差し引き

発注側が振込手数料を差し引いて入金してくるケースです。請求額と数百円単位で合わない場合、まず振込手数料の差引きを疑いましょう。事前の取り決めに沿って、「支払手数料」または「売上値引」勘定で処理します。銀行ごと・振込金額ごとに手数料が異なるため、金融機関別の手数料一覧を手元に置いておくと突き合わせがスムーズです。

振込名義の表記ゆれ・略称

取引先の正式社名で振り込まれず、屋号・略称・カナ表記・担当者個人名などで入金されるケースです。「カ)〇〇」「〇〇(カブ」など、法人格の位置や表記が請求書と異なるだけで自動照合が外れる場合があります。取引先マスタに「別名リスト」を持たせるか、AIによる名義ゆれ照合機能を持つシステムの導入が有効です。

複数請求の一括入金・1請求の分割入金

同一取引先の複数請求分をまとめて1回で振り込まれる「一括入金」、または1件の請求を複数回に分けて支払われる「分割入金」も、金額不一致の主要因です。

合計金額が合っていても消費税端数の丸め方が異なると数円ズレることがあります。台帳上で「関連する請求書番号」を紐づけて管理し、部分消込ができるようにしておくと処理がスムーズです。

過入金・不足金

請求額と入金額が明らかに異なる「過入金・不足金」は、消込段階でいったん「仮受金」として処理し、取引先に事情を確認するのが安全です。取引先の属性(新規/得意先)と過不足の方向で、対応方針を以下のように整理しておくと判断が早まります。

  • 新規で過入金:事情を説明し、振込手数料を差し引いた額を返金
  • 新規で不足金:事情を説明し、不足分の追加振込を依頼
  • 得意先で過入金:次回請求額との相殺を打診
  • 得意先で不足金:次回請求への繰越を打診

入金管理を行う上でのポイント

振込手数料をどちらが負担するか予め決めておく

振込手数料を負担するのは、一般的には、発注側の企業です。受注側の企業が負担すると、入金額から振込手数料を差し引いた額が振り込まれてしまう可能性があるためです。しかも、振込手数料は銀行によって異なるため、のちのちの突き合わせ作業が複雑になってしまうという問題もあります。

入金額が異なる際の対処方法を予め把握しておく

請求額が入金額と異なる場合に、どのように対処すべきなのか、その方法についてしっかりと把握しておくことが大切です。取引先が「新規なのか得意先なのか」「入金額が多いか少ないか」といった要素によって、次のように、できる限り対応を変えていく必要があります。

  • 「新規で入金額が多い」場合には、事情を説明の上、振込手数料を引いた額を返金する
  • 「新規で入金額が少ない」場合には、事情を説明の上、不足分の振込を依頼する
  • 「得意先で入金額が多い」場合には、事情を説明の上、次回の請求金額での相殺が可能であるかどうか相談する
  • 「得意先で入金額が少ない」場合には、事情を説明の上、次回の請求金額に繰り越して請求してもよいかどうか相談する

未入金が発生したときの段階的な対応

未入金は「電話・メール督促→督促状の送付→法的措置」の順に段階を踏んで対応するのが基本です。いきなり強い手段に出ると取引関係を毀損するため、段階ごとに区切りを設けて対応を切り替えていきます。

電話・メールによる督促

入金予定日から数日〜1週間程度経過しても入金が確認できない場合、まずは電話やメールで穏やかに状況確認を行います。「行き違いでしたら失礼いたします」と一言添えることで、相手が入金済みだった場合の関係悪化を防ぐこともできるでしょう。

営業担当者を経由するか経理から直接連絡するかは、取引先との関係性と社内ルールに応じて選択しましょう。

督促状の送付(内容証明郵便の活用)

電話・メール督促で反応がない場合、書面での督促状を送付します。「指定期日までに支払いがなければ法的措置を検討する」旨を明記することで、企業として本気の意思表示となります。

証拠保全の観点からは、送付日時と文書内容を郵便局が証明する「内容証明郵便」の利用が有効です。将来的に裁判に発展した際、請求の事実を客観的に示す証拠として利用できます。

法的措置(支払督促・少額訴訟・通常訴訟)の検討

督促状にも反応がない場合、法的措置を検討します。金額と状況によって3つの選択肢があります。

  • 支払督促:簡易裁判所を通じて相手に支払いを命じる手続き。相手からの異議申立てがなければ強制執行に移行できる
  • 少額訴訟:請求金額が60万円以下の場合に利用可能。原則1回の期日で審理・判決が下されるため迅速な解決が期待できる
  • 通常訴訟:請求金額が60万円を超える場合や、相手が争う姿勢を見せている場合の一般的な裁判手続き

いずれも解決までに時間と費用を要するため、実行前に顧問弁護士へ相談することをおすすめします。

入金管理を効率的に行う方法

Excelを利用する

Excel(エクセル)であれば、使い慣れている場合にはもちろん、これから導入するとしても、そのハードルが低いという良さがあります。未入金や入金済みなどのステータス更新は手作業で行わねばなりませんが、だからといって、すべてを手作業で進めならなければならないソフトだというわけではありません。関数などを活用すれば、計算の自動化が可能になります。

また、ネットで公開されているいろいろなテンプレートを利用できるところも、注目すべきメリットです。

システムを新たに導入する

多くの件数を扱わねばならない場合には、Excelでは管理負担がかなり重くなります。手作業によるミスも生じやすくなってしまいます。その点、入金管理に対応しているシステムであれば、人為的なミスが生じにくくなります。

もちろん、システム導入の際には一定のコストがかかりますが、機能性の高さを考えると、長期的にはむしろコスト削減になる可能性が高いです。口座と紐づけて管理を自動化したり顧客情報を一元管理したりすることで、業務効率化を行うことも可能となります。

入金消込・入金管理を自動化する具体的手段

入金管理システムを導入するといっても、その内部で何が自動化されているのかを理解しておくことで、自社に必要な機能を見極められます。ここでは、経理現場で成果が出ている4つの自動化手段を紹介します。

全銀協規定フォーマットによる入金データ取込

全国銀行協会が定める「全銀協規定フォーマット」に対応した銀行データを取り込むことで、入金明細を手入力せずにシステムに反映できます。

ほぼすべての国内金融機関が対応しており、CSVやテキスト形式でダウンロード可能です。自動化の第一歩として、まずはこの取込を仕組み化するだけでも作業時間を大幅に削減できます。

銀行API連携によるリアルタイム消込

銀行APIを活用すれば、企業側のシステムと銀行システムを直接接続し、入金情報をリアルタイムで取得できます。従来数時間かかっていた照合作業が数分で完了するため、月次締めのボトルネックを解消し、キャッシュフローの可視化にもつながります。

インターネットバンキングとの連携が前提となるため、事前に自社の利用サービスを確認しておきましょう。

AI・機械学習による名義ゆれ・複数請求の自動照合

近年主流となっているのが、AI(機械学習)による自動照合です。振込名義の表記ゆれ、振込手数料の差引き、複数請求の一括入金、1請求の分割入金といった、従来は人が判断していたパターンをAIが学習し、自動で消込を行います。

導入企業のなかには、それまで30時間以上かかっていた消込作業が数十秒で完了するようになった事例もあります。使い込むほど照合精度が上がる点も特徴です。

参照元:R&AC|入金管理とは|システム化で30時間の作業を数十秒にする方法(https://www.r-ac.co.jp/blog/3445/)

バーチャル口座による請求先の自動特定

取引先ごとに専用の振込先口座(バーチャル口座)を発行することで、「どの取引先からの入金か」を口座番号だけで一意に特定できます。振込名義の表記ゆれ問題を根本的に解消できるため、名義照合に工数を割かずに済む点が最大のメリットです。

バーチャル口座機能を提供するクラウド債権管理サービスが増えており、大口取引先が多い企業ほど効果を実感しやすい仕組みです。

システム利用における入金管理のトラブル・対処法

Excelでの残高不一致

Excelによる請求管理台帳と請求データとの連携がとれておらず、転記ミスが起こりやすくなるケースがあります。また、入金があったとき、本来であれば請求管理台帳にその金額を入力した上で各取引先の残高を管理すべきところを、入金額を誤って請求管理台帳に登録してしまうなどのミスもみられます。あるいは、振込手数料を考慮するのを忘れて入力してしまうミスも起こりがちです。

これらのミスを減らすことができない場合には、システムの導入を検討してみることをおすすめします。

債権管理システムと会計システムのデータが不一致

両システムの連携がとれていないと、データの不一致が起こりやすくなります。請求管理は営業スタッフが担当し、一方で会計帳簿作成は経理スタッフが担当する場合などに、よくみられるトラブルです。

これは、別々のシステムを利用し、しかもデータ連携を図っていないことが原因です。システムをしっかりと連携させることが、このようなトラブルの一番の対処法となります。

トラブルへの対処法

できるだけ上述のようなトラブルを発生させないようにするための方法としておすすめなのが、債権管理システムを利用して残高管理を行い、その入力データを会計システムに連携させることです。

会計システム内において、売掛金の残高は「借方に計上される請求データ(=売上計上)」と「貸方に計上される入金データ(=回収計上)」の差額で算出されます。
債権管理システムであれば、請求データと入金データの両方が入力されているので、そのまま会計システムに取り込むことができるわけです。つまり、会計システムで手作業による入力作業をせずに済むようになるのです。

会計システムと債権管理システムのメーカーが同じであれば、よりスムーズにシステムの連携ができます。

営業部門と経理部門のデータ連携ルールを整備する

売掛金残高の不一致や督促ミスの多くは、営業部門と経理部門の間で情報がリアルタイムに共有されていないことが原因です。システム導入と並行して、部門間の連携ルールを整備することで、根本的なトラブル削減につながります。

営業・経理間で共有すべき情報の定義

まずは「何を」共有するかを明確化します。以下は最低限、営業から経理へリアルタイムに連携すべき情報です。

  • 取引先からの支払遅延の連絡
  • 値引き・返品などの請求額変更
  • 分割払い・支払サイト変更の合意内容
  • 取引先の与信状況の変化(担当者変更・経営悪化情報など)

これらが経理に共有されていないと、事情を知らない経理担当者が督促連絡を行い、取引先との信頼関係を損なってしまうリスクがあります。

情報共有のタイミングとフォーマットの標準化

「共有すべき情報」を定義しても、共有のタイミングやフォーマットがバラバラだと運用が形骸化します。営業担当者が取引先から情報を受け取ったら、当日中に所定のフォーマット(社内チャット、共有シート、CRM上のコメントなど)で経理に連携するルールを設定しましょう。

逆に経理からも、未入金一覧を営業に定期共有することで、営業側の取引先訪問時にフォローを依頼できます。

システム連携で属人化を解消する

ヒューマンな運用ルールだけでは、担当者の異動や繁忙期に必ず抜け漏れが発生します。販売管理システム・債権管理システム・会計システムをAPIやCSV連携で自動接続することで、営業が入力したデータが経理側に自動反映される仕組みを構築できます。

マスタ情報(取引先コード・商品コードなど)を統一しておくことが連携成功のカギです。

導入目的別に選ぶ

必須3機能を備えた
「債権管理システム3選」

基本3機能を備えた「債権管理システム3選」

債権を効率的に回収して、経理業務の負担を減らす3つの機能を備えた債権管理システムを紹介します。

業界別に選ぶ
おすすめ債権管理システム3選

債権管理システムの中から、全般的に使える総合型や業界特化型のシステムを業界別に紹介します。

総合型
債権管理システム
業界特化型
債権管理システム
一般企業向け
クラウド債権管理
(株式会社マネーフォワード)
MoneyForwardクラウドキャプチャ

画像引用元:株式会社マネーフォワード公式HP(https://biz.moneyforward.com/receivable/)

クラウド債権管理の特徴

煩雑な入金消し込みを自動化することで債権管理を効率化

総合型
債権管理システム
弁護士事務所向け
債権管理回収システム
(株式会社ユーコム)
債権管理回収システム

画像引用元:株式会社ユーコム公式HP(https://www.ucm.co.jp/wp_ucm/)

債権管理回収システムの特徴

企業ごとにカスタマイズできる対応力に加え、無償OSS製品の利用でコストを削減

金融企業向け
CMS V5
(株式会社アイティフォー)
アイティフォーの公式サイトキャプチャ

画像引用元:株式会社アイティフォー公式HP(https://www.itfor.co.jp/)

請求管理ロボの特徴
誰でも簡易に活用できる
プロフェッショナルシステム

※選定条件:
2024年1月30日時点でGoogle検索で債権管理システムと検索したときに公式サイトが表示された全システム(22社)。
その中で、以下の条件を満たした3社のサービスを紹介します。
  • サービスの対象業界が公式サイトに明記されている
  • 公式サイトに対象の業界が掲載されている