本記事では、債権回収の督促電話業務の課題や督促電話を行う際のポイント、より効率的に業務を進めるためのヒントをお伝えします。
売掛金などの債権が未払いとなった場合に行う業務です。督促状の送付よりも速やかに行える、どちらかの不手際によって未払いになっていないかを口頭で確認しながら行えることから、多くの場合でまずは電話による督促が行われます。
特にBtoB(企業間取引)の場合、一般的に取引ごとの都度払いではなく、1ヶ月単位でまとめて発行された請求書に対して支払いが行われます。
売掛が発生する取引であっても、請求書が発行された後は期日までに支払う義務が生じますので、債権回収に至らない場合は督促が必要です。
ただ、人の手で1件ずつ督促電話を行うには、進捗管理などの業務も含め人的コストがかかります。また、慎重な対応が求められるため、督促を行う担当者に一定のスキルが求められます。
期日を過ぎても取引先からの入金が確認できない場合には、督促をする必要があります。しかし、督促対応を担当するスタッフへの負担が非常に大きいという点が問題として挙げられます。対応する中では、「強くいえない」「相手先との関係性が悪化しないか不安」といった心理的なストレスにもつながっていきます。
さらに、スキル不足によりクレームやトラブルに発展する可能性もゼロではありませんし、お金のことでもあるためミスがあると信用問題につながる可能性も考えられ、非常に神経を使う業務でもあります。
督促電話業務では、短い時間内に的確に情報を聞き伝える技術や法的な知識など、求められるスキルが複数あります。
相手と直接会話しながら問題解決から督促業務の完了を担当するため、一定のコミュニケーションスキルも必要とされるでしょう。
督促電話業務は、このように様々な場面でスキルが求められるがゆえに以下のような課題が生じる可能性があります。
督促業務の進め方や相手への伝え方によっては、クレームになる可能性が考えられます。単純な手違いや金融機関のシステム障害など、未納になってしまう理由に多くの原因があるからです。
相手側に問題や落ち度がない、故意の未払いや滞納ではない場合も多いため、督促電話を受ける側に配慮がないとクレームに発展してしまうでしょう。
特に企業間取引の場合、今後も継続的な取引が発生することも考えられます。相手会社との関係性を見据えた配慮ある対応をしなくてはなりません。
強い口調で支払いを迫ったり、相手の落ち度に付け入ったりするなどの対応は絶対に避けなくてはなりません。
相手側に問題がある、明らかに督促される理由があったとしても、過度な口調による刺激は「恫喝」と捉えられ、逆に訴えられてしまう可能性さえあります。法的な問題に発展するリスクを踏まえた上で、慎重に対応することが大切です。
督促電話がきっかけでトラブルが発生すると、他の業務にも支障をきたしてしまう可能性があります。別の問題に発展しないようにするためにも、必ず督促電話をかける前に以下の注意点をチェックしましょう。
まずは、電話担当者が督促電話の目的を理解することが大切です。督促電話業務は、あくまで支払期限を過ぎた相手に対し、約束通り入金してもらうように促すことであり、お金を無理やり支払わせることではありません。
相手に入金を強要すると、違法性を問われる可能性があるため注意が必要です。
債権の未回収は、顧客や取引先の事情やミスによるものだけでなく、請求側、つまり自社の不手際で起こる場合もあります。まずは、電話をかける前になぜ未払いになっているかを確認することが大切です。
請求書の送付を忘れていないか、宛名や入金期日の記入ミスや漏れがないかをチェックして、自社のミスで未払いが起こっていないことを確かめます。
相手の情報を事前に知っておくことで、余計なトラブルに発展する可能性を回避できます。
未払いの理由が相手先のミスであると分かった場合には、相手が過去に何度か滞納したことがあるか、今回遅れているかだけなのかなどの情報を把握した上で督促電話をかけましょう。
やり取りをスムーズに進めるため、電話をかける前に「何を確認し、いつまでに支払ってもらうのか」を整理しておきましょう。具体的には、未払いとなっている請求の金額と支払期日、請求書の発行状況、過去の支払状況や督促履歴などです。
これらを手元にそろえたうえで電話をすると、相手からの質問にもその場で答えられ、着地点を決めた会話ができます。担当者が変わっても同じ水準で対応できるよう、確認項目をチェックリストの形にしておくのも有効です。
様々な場面での配慮やスキルが求められる督促電話業務。1件ずつ電話をかけるのは手間がかかる上、数が多くなると担当者の負担も増大します。
督促電話業務の効率化を図るポイントをまとめたので、ぜひ進行管理の参考にしてみてください。
未納について連絡し、相手に配慮しつつ支払いを約束してもらう一連の作業は担当者1人に対する負担が大きく、限られた人員で対応するには限りがあります。
そこでおすすめなのが、一次対応の導入です。個別で電話をかける前に、まず「支払期日が過ぎており、未払いが発生している」という事実のみをメールなどで連絡します。
一次対応で一定数の支払いがされた後、本当に電話が必要な相手にだけ担当者が督促電話をかけられるので、負担を軽減できます。
督促電話業務のプロセスをマニュアル化すれば、高度なスキルを持たない人材であっても対応できる範囲が広がり、全体の業務が効率化します。難しいケースであってもマニュアル通りに対応すれば良いので、担当者の心理的負担も軽減されるでしょう。心理的な負担が軽くなることにより、人材の離脱を防止する効果も得られます。
既存のルールや業務フローを見直すことによって、業務のスリム化を図れます。業務プロセスに無駄が生まれていないか、特有の習慣が工数削減の足かせになっていないかを洗い出し、改善することで業務が効率化されます。
相手に電話をかけるタイミングや、電話の頻度について適切な設定を行います。具体的には、勤務時間外は避けて電話をかけるといった取り組みが考えられます。また、架電前に事前準備を行うことも必要です。例えば、顧客情報や支払い履歴を把握した上で話をする、また支払いが遅れている原因について分析を行います。場合によっては請求側の不手際という可能性もあるため、電話をする前になぜ未払いになっているかを確認するようにしてください。
そして、電話をかける際の基本ではありますが、「丁寧な言葉遣い」と「落ち着いたトーン」を意識するのも大切。同じ内容を話すにしても、話し方やトーンによって信頼形成ができ、信頼を築くことができればクレーム回避につながる、というメリットが期待できます。
督促電話では、相手が電話に出ないケースもあります。一度応答がなかったからといってすぐに諦める必要はなく、時間帯を変えて改めて連絡するなど、相手が応答しやすい方法を検討しましょう。電話にこだわらず、メールなど別の連絡手段を併用するのも方法のひとつです。
連絡した日時や回数、相手の反応は記録に残しておきます。何度連絡しても応答が得られない場合は、担当者個人の判断で連絡を続けるのではなく、社内で定めたルールに沿って次の対応へ移りましょう。対応が長期化することも、相手に過度な負担をかけることも避けられます。
これまで対応した督促履歴や対応状況を一元管理することで状況を把握でき、次の対応を最適化できるようになるため、よりスムーズな対応に繋げられます。また、滞納防止のために顧客状況の把握を行なうこと、継続的なコミュニケーションを図ることが大切です。
このほか、KPI設定による回収率や対応品質をモニタリングし、必要に応じ改善を行っていくことも重要なポイントであるといえます。
一元管理する情報は、督促した相手、連絡した日時、対応した担当者、相手からの回答などです。これらを1か所に集約しておくと、過去の対応履歴をたどれるため、担当者が変わっても同じ情報をもとに対応を引き継げます。同じ相手に複数の担当者が重複して連絡してしまう事態も防げます。
「いつまでに支払う」といった約束を取り付けた場合は、その内容と期日も記録しておきましょう。約束の期日を過ぎた相手を抽出できるようになり、督促業務全体の進捗も把握しやすくなります。
債権管理システムの機能を活用すれば、督促電話業務を効率化できます。
ある債権管理システムでは、相手が電話に出ない場合は自動でスキップし、着信した場合は順次オペレーターに転送することができます。架電間のインターバルが短くなる分、業務効率が大幅に向上します。
また、電話が着信したタイミングで電話番号によるデータ検索を自動で行えます。債権管理システム上の相手情報がすぐに表示されるので、督促電話業務における情報確認のフローを効率化できます。
督促電話の効率化は、業務を行うだけでは完結しません。架電件数や接続率、支払約束率、回収率など、自社の業務内容に合った指標を設定し、結果を数値で確認できる状態にしておきましょう。
数値を継続的に追うと、どの工程でつまずいているのかが見えてきます。たとえば接続率が低いのであれば電話をかける時間帯、支払約束率が低いのであれば話し方やマニュアルの内容に課題があると推測できます。KPIを設定すれば必ず回収率が上がるというものではありませんが、数値で課題を見つけて業務を改善するというサイクルを回す土台になります。
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画像引用元:株式会社マネーフォワード公式HP(https://biz.moneyforward.com/receivable/)
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