ファクタリングで売掛金回収ができる仕組みやメリットとデメリットをご紹介します。便利な方法ですが注意点もあります。
ファクタリングは売掛金回収をするための方法の1つです。売掛債権を売却して代金を得られます。ただし、ファクタリング会社に売却する場合、手数料が発生します。本来得られる売上代金から手数料を引いた金額を得られる仕組みです。
ファクタリングには保証型と買取型、2つのタイプがあります。保証型は売掛債権が回収不能になるのを避けるタイプです。売掛先が倒産した場合、売掛金の回収がむずかしくなります。その場合保証型であれば、ファクタリング会社が保証金を支払ってくれます。保証金額は売掛先の信用調査で決定します。
買取型は債権から手数料を引いた金額を受け取れる仕組みです。売掛金が支払われるのが先でも、事前に回収できます。審査もなく、資金調達に関してスピードを重視する場合に助けになる方法です。
メリットは売掛債権を売却する側の信用力は問われないこと。売掛債権の存在と期日が経過してさえいなければ売却できます。売却する側に保証人や担保も求められません。負債も残らず、信用情報にも傷がつかない点がメリットです。売掛が残っていた売掛先が倒産して未払いがあっても、利用した側はファクタリング会社から返金を求められません。
デメリットは手数料の問題です。銀行融資が1~10%のところ、ファクタリングは30%に設定している会社もあります。売掛債権が大きいほど、得られる金額は本来より低くなるのです。
ファクタリングを利用する理由は資金調達のため、資金繰りに余裕があれば利用しません。利用することは、売掛先に「資金繰りが悪いのかもしれない」という疑念を持たれる可能性がある点もデメリットです。
また、売掛債権全部を必ず買い取ってもらえるとは限りません。100万円の売掛債権でも、80%だけとなれば、単純に80万円しか受け取れなくなる場合もあるのです。
ファクタリングの買取では売掛先との契約書をチェックしてみてください。債権譲渡の禁止条項があれば利用できません。また、支払期日を経過しており未回収なら同様に利用できません。
買取型の手数料もチェックしてみてください。2社間なら10%~20%、3社間なら1%~10%が一般的な相場です。ただ、売掛債権の金額、売掛先の信用度が低い場合、相場通りではないこともあります。一社に限らず複数社で見積もりを取ることをおすすめします。
また、保証型では売掛債権の現金化までのスピードが遅い場合がある点も注意が必要となるでしょう。早く現金が欲しいという状況には向いていないのです。
売掛先がお金を支払ってくれない、ずっと売掛が回収できず残っている、とにかく早く資金調達をしたいという場合、ファクタリングは助けになります。ただし、手数料や状況や条件によっては売掛先からの信用を失う、手数料によりすべての金額の回収はできないという点は理解しておいたほうがいいでしょう。
保証型のメリットは債権に対する保険のようなものと理解してください。売掛先がお金を支払ってくれない場合、資金繰りが厳しいケースなら、回収できないことも視野に入れなければなりません。不渡りになる可能性や不安があるなら検討しておきたい方法です。
ただし、売掛先がすでに破綻している、法的にも破綻しているなら買取契約自体がむずかしくなります。ファクタリング会社は不良債権とわかりきっている売掛金の買取はしません。審査もしますし、信用度も確認し、破綻リスクがあるなら拒否される可能性は高いです。
保険型は万が一のために備えた方法であり、売掛先の経営状態が厳しくないなら有効といえるでしょう。厳しいなら利用自体、選択肢に入れられません。
【保証金が入金された場合の仕分け】
借方 | 貸方 | ||
支払手数料 | 10,000円 | 普通預金 | 10,000円 |
【保証型で回収不能】
借方 | 貸方 | ||
貸倒損失 | 100,000円 | 普通預金 | 100,000円 |
売掛債権 | 100,000円 | 雑収入 | 100,000円 |
保証型の場合、売掛金が売掛先から入金されると手数料のみの支払いです。借方に支払手数料10,000円、貸方に普通預金10,000円と仕分けします。保険型で回収できなかった場合、ファクタリング会社から保証金が支払われたら、借方に貸倒損失と普通預金で仕分けします。貸方には売掛債権と雑収入の処理を行う流れです。
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